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1つになることで人々は何でも望むものを貰えます

ほとんどの人が望むものはただ1つ。それは気持がよくなることです。彼らの目的は、不安の無いよい暮らしです。仕事、貯金、社交、そして医療保険をもつこと。彼らは、近くにスーパーやその他のサービスがある、電気と水道が十分に供給される住まいを持つことを望みます。子供にはよく育ってもらいたい、すべてのことがスムーズに運んでほしいと願います。これが彼らの欲しいものです。

 したがって彼らは物質的なレベルで人々が繋がっていることを耳にすることによって、他者と一緒になって是正を生じさせます。彼らはばらばらなので、それ以外に1つになる為の機会はありません。しかし、時間が経つにつれ彼らは、互いに折れ合うことと、互いに授け与えることで得られる何かが、最初に望んでいたものよりも遥かに偉大であると理解しはじめます。

 貯金、医療保険、年金、そして給与のほかに、人生にはもっと高い段階があり、全ての人がそれを感じることができるようになります。人が自然の上層の力 -永遠の生命の流れ- を感じると、この世に生まれる前に起きる全てのこと、現世での全てのこと、そしてその後に起きる全てのこと、それらが混じり合い1つの現実になります。そのあとで、人は宇宙のなかのベールに隠された部分を明かし、その両部分が1つになります。

 人々はこの事を、人々の統一の結果として理解しはじめます。なぜならまさに統一することから“光”の小さな輝きを受け取るからです。しかしこれが起きるのは次の段階においてです。今の私達はただ身体的な単純なレベルでよい暮らしをするのには統一が必要不可欠と懸念しているだけです。たったのそれだけです。それ以上は何もないのです。“よい暮らしをする”という意味は実際には何でしょうか。それは、あなたの望むものなら何でもあなたは獲得するということです!

G20は正しいパワー・バランスを確立できるのか

受け取った質問:どのようなパワーバランスが世界で確立されるべきですか。G20の各国首脳は他国にコントロールされないことを確実にする、よりベターなパワーバランスを各国の間に築きたいと考えています。もし正しく行われたとしたら、どのようなパワーバランスの世界地図を想像していますか。

私の答え:私はこのことを良い状況としては見ていません。人間のエゴに基づくどのような行為も、お互いの人間関係において、内面的な変化が必要とされているということを気づかせません。従って、たとえそれが均衡(調和)の為に行われたとしても、それは悪を認識することを招き、ネガティブな形で現れます。実際に人はそうでないと自分の中にある悪意を認識しませんが、もし私達がお互いに対する人間関係を是正しないのなら、どんな新しいレギュレーター(規制、貿易金融支援、金融監督体制、景気刺激策などの経済を調整するもの)を作ることも役に立ちません。それらは助けになるどころか、もっと深刻な状況を招くことになります。

私達の世界は色々なものに富んでいます。そこには、天然資源、発達した産業、機械、テクノロジー、経済、銀行システム、そして農業があります。すべてがベストな状態に微調整されています。私達に欠けているものは人間関係の正しい繋がりだけです。その繋がりは調整案の施行で獲得できるものではありません。しかしG20の首脳達は身体的(物質的)なレベルで問題解決をするためにその調整案に期待しています。彼らは「すべてを正しく計算する特別なコンピューターをつくろう」と考えています。

しかし実際その計算は私達の内面でする必要があり、私達の隣人の為に行われなければなりません。バール・ハスラムは新聞『The Nation』のなかで何を記したのでしょう。彼は「全ての人にたいする公正な分配がなくてはならない。地球にある石油、ガス、金属、そしてすべてのものは平等に全人類のものである。もし他の誰かがあるものを持っていないのなら、あなたがそれを持つことはできない。なぜならそれは平等に全ての人のものだからだ。」と記しました。

全ての人はお互いの利益の為に働かなければなりません。そして何らかのレギュレーターを理由にするのではなく、自発的にそうするのです。これを達成するためにレギュレーターを利用することは、ロシアのKGBみたいなことです。これは自分自身の願望から実現しなくてはなりません。

では私達は何をその評価の基準にして始めればよいのでしょう。それは教育です。その問題がどこからきているのかについて学ぶことです。世界においては、人間の内面的な是正をすること以外に、何もする必要はないのです。これを切っ掛けに気候でさえも変化します。これ以外に、この状況からの脱却はありません。そして私達のカバラを広める活動の目的はこの事実を皆に知ってもらうことです。

G20金融サミットに参加する各国首脳は、あたかも解決策が手中にあるかのように集まってゲームをする子供のようです。その後に彼らはその解決策を世界で実施し、今までの対策全てがそうだったように今回も失敗します。全ての対策は、失敗に終わります。

このような問題はたくさんあります。例えば、日本政府は国民に給付金を与え始めました。しかし、人々がそのお金を使うことはないでしょう。彼らは最悪の事態に備え、ただ貯金するだけです。しかし未だに政府は人々がすぐにでもお店に走って行きそれを使うと思っています。明日に何が起こるかも分からないのに、どのようにしてその金を使えると言うのでしょうか。

今や全世界は“氷結”状態にあります。全てのものが停止しました。そしてそれが起こっていることの唯一の理由は、私達の意向と意図がお互いの利益に向かっていないからです。よって私達の訴えが聞かれることに期待したいものです。

すべてのナンセンスは危機の波に流される

受け取った質問:人は“他者に対してよくする(よい扱いをする)”という意味を理解していないことを私は発見しつつあります。誰も自分が間違ったことをしているとは思っていません。「私はみんなによくしている。家族もいるし、家族によくしている。私は嘘もつかないし、盗みもしない」と皆が言います。彼らは自分達に是正が必要であることを理解していません。

私の答え:危機は徐々に“他者によくする”ということの本当の意味を私達に理解させるようになります。それは自分以外の人々に必要なものを持たせることを自分が確実にすることです。これが他者に対してよくするということです。もう一度繰り返します:他者の為に必要なものだけについて自分が配慮する。そしてさらに、創造主との一致が大事なことだと考える。これは世界で絶対に明らかに示されます。

危機の波は世界における全てのナンセンスを洗い流します。これはとても近いうちに急速に顕示され始めます。このような状況に人類が遭遇したことは一度もありません。人々が外側からの力と手段によって助けられ、“過剰”から解放されることをあなたは目にします。なぜなら人々は過剰な行動やものなどが彼らを妨げていて、何かを奪っていると思うようになるからです。そのうち、権力と影響力を持つ者たちは、自分らの権力と財力を恥じるようになります。社会からの非難と軽蔑を浴びることによって、彼らはこのような事象が危険でネガティブなことであると発見するからです。

金融サミット開催前にG20はカバラのメッセージを聞かなくてはならない

受取った質問:特に英国のブラウン首相など、多くのエコノミストや指導者たちは協調の必要性を訴えています。なぜ“自然”は彼や他の指導者を正しい方向に導こうとしないのですか?

 私の答え:なぜ彼らはカバラの科学を発見できないでいるのでしょう。「王や支配者たちの心は創造主の手中にある」と記されています。彼らは全世界の前で自分達が恥をかく立場にいることに気がつきます。なぜなら経済や産業の現状(経済危機)から抜け出す道を見つけることができないからです。歴史上初めて人類は、自然と向かい合い、自然の赴くままにされている状況に直面しています。そして全ての人が絶望の中で降参し、もっとも賢くて勇気と自信のある者達でさえ何もできないままでいます。

 彼らは母を失った子供のように途方に暮れています。人々はこのような経験をしたことがありません。今まで常にエゴイズム(人間の利己的性質)は勝利してきました。それは常に私達を動かし、新しい偉業を達成させてきました。しかし今日私達はもうエゴイズムによって動かされなくなったのです。私達はエゴイズムを使うことでは何も達成できないことに気がつきはじめています。それどころか、エゴイズムは私達が経験したこともない大惨事を引き起こしています。それは古代エジプトの「十の災い」のようです。

 ゆえに、指導者達は何もすることができません。彼らは惨めなファラオの立場にいます。全ての人がエゴイズムは邪悪だと分かっています。しかしその後はどうすればよいのでしょうか。その解決は1つしかありません。カバラのメッセージをいち早く全ての人に分かり易く、ポジティブなかたちで伝えることです。金融サミットが始まる前にこの方法論をG20(20カ国・地域)に届ける試みには価値があります。そうすれば世界にはまだテャンスがあるかもしれません。

G20の各国首脳は家を建てようとする子供のよう

受け取った質問:G20に参加する各国首脳は、世界を前進させる何らかの双方の合意に達するべきですか?

 私の答え:もちろんです。状況が何らかの合意に至らせます。しかしどのようなものになるのでしょうか。哀れな彼らには対策がありません。彼らには言えることもありません。オバマは前回のサミットにさえも参加しませんでした。自分の任期が始まったばかりと言い訳をしていました。(2009年初頭の話)

 彼らには計画がないので、何の対策も提案もできません。もし計画があったとしたなら、もうすでに発表されて施行されているはずです。しかしまだありません。彼らはグローバル化の状況下で何もすることができません。なぜなら、彼らは“接着剤”を持っていないからです。それはお互いを繋げる力のことです。私達は結束しなくてはならないと理解しているゴードン・ブラウンと他の有能なエコノミストでさえ、それをどのように達成すればよいのか分かっていません。

 この状況は、家を建てたくても建て方を知らない子供達のことを彷彿させます。彼らは叫びます。「僕たちはみんなが幸せになれる奇麗な家を建てたいんだ!」全員が遊び場に集まって興奮しています。しかし彼らは何をしてよいのか知らないので、問題を抱えたまま当惑するのです。

 質問:彼らには何が足りないのですか?

 私の答え:彼らには結束状態を作ることのできる力との繋がりが無いのです。しかし、世界体系についての理解を深めることにより、最低でも彼らは自分達に繋がり又はこの力がないと理解するようになります。

 彼らは文字通り、家を建てたい子供達なのです。しかし次は何でしょうか。彼らはそれをどのように建てるべきでしょうか。これは彼らの知らないことです。彼らは、家には壁や屋根があることは知っています。しかしその組み立て方を知りません。予定も計画も力も無いと見てとれるように。その課題を解決する為に彼らは全構造についての理解を必要としています。しかしこれらについてのことも彼らは有していません。今や誰も彼らをうらやむ人々はいません。誰も彼らの立場に身を置きたいと思う人はいないのです。

他者への配慮が危機を終わらす鍵である

受け取った質問:経済危機の終わりは絶えず遠ざかっています。最初は、数ヶ月で終わると言ってました。それから数年、そして今日では10年かかるかもしれないと言われています。 手当、年金、食料の蓄えも無く、光熱費も払えない状態で、そんな長い期間をどのようにして生きていけるのですか。カバラによると、危機はいつ終わるのですか。

 私の答え:各々の人が自分以外のすべての人に対して配慮をしはじめれば、それは終わります。

危機はすべての人を洗ってキレイにする

受け取った質問:カバラの原理の1つに“悪の認識”という内面における作業があります。人間の総体的な“悪の認識”もあるのですか?あなたは以下のように述べました。

 “世界の出来事に影響を与えるための唯一の機会は、すべての人々を感化させる、よりよい環境をつくり続けることだけです。この環境が全員の価値観を肉体的なもの(受け取ること・利己)からスピリテュアルなもの(与えること・利他)に変化させるのです。”

 わたしもそれに同感です。しかし、カバラの適切な原理が制度化されることは絶対にないでしょう。なぜなら、すべての教育、経済、メディア、政府、そしてその他なども、貨幣発行権から作られる巨大な権力で社会のすべてを牛耳っているFRB、IMF、世界銀行、そして国際決済銀行によってコントロールされているからです。

 私の答え:危機はすべての人を浄化します。そして皆は“良い子”になります。なぜなら、私達は喜びを得たいという願望以外のなにものでもないからです。私達は気分が悪くなれば、どんなものや人にでもなります。私達は気分を良くするためなら、道徳や倫理などお構いなしに何でもするのです。これがなぜ私達をコントロールすることがとても簡単なのかということの理由です。

 私達は未曾有の出来事を目撃することになります:突然にすべての人が“良い子”に変わります。人々は生き残るために愛他的になります。そして皆が、他者に対する愛情はより高い価値のあることだと、理解しはじめます。ただ単にそうすることが自分にとって都合が良いからではなく、隣人に対する愛情そのものに価値をみいだします。その価値観は人々に浸透し、何かを受け取るときでさえも他者の利益のためだけに行われるようになります。

 しかし同じ結果に至らせるより簡単で早い道もあります:カバラを勉強して、創造主、上層世界、そして私達のつながりを明らかにすることです。人間を含めた自然における万物は互いに依存し合っていることを私達が理解すれば、私達は今すぐにでも正しい行動をして生きていけるのです。そうすれば危機も消えてなくなります。

あなたが病気であるということを知っているならば、医師の診察を受けなさい

新聞記事 (Bloombergより): 「『不況の深刻化と失業者数増加にともない世界経済の信頼が低下』2月に世界経済の信頼は衰えた。先進国は既に不況にあり、世界経済を泥沼から引きずり出すには財政刺激策のみでは成功しないだろう。中央銀行は、政策行動のための通信路が未だに詰まっており、金利引き下げの効果が遅延していると言う。

調査の回答者である東京の第一生命経済研究所のエコノミスト新家義貴氏は「彼らはこの景気後退が続くと考えている。」と言った。「我々はまだ楽観的になれない。この不況の底はまだ見えていない。」とのこと。

私のコメント:危機は以下の手順によってのみ解決できます:

1) 原因を突き止める(診断)

2) 原因を直す又は対処する方法を見つける(治療法)

3) その対処法の準備をする(薬や医療機器の開発)

4) 対処法の実行(薬の投与や手術などの治療)

以下が解決策です:

1) 危機の原因は私達のエゴイズム(利己主義)である。それはグローバル化を経て世界規模となり、互いに繋がり、大きな1つの欲の塊になった。

2) 私達のエゴイズムを変化させて是正できるものは、それを作り上げてコントロールしている力だけである。

3) 私達のエゴイズムをコントロールする力をコントロールすることを習得する。

4) その私達のエゴイズムをコントロールする力に影響を与えて、私達の住むこの世界を変化させる。

上記したすべてのことはカバラの科学によって説明されていることであり、私達はすぐにでもそれらを利用することができます。“患者”(私たち)は生きている間に治療をうけるべきです。

以下のことを考えてみてください。ある人が自分が病気になったと気がつきました。しかし、その人は病院に行くこともなく、自分で医学について勉強しようと決断しました。その人には何が起こるでしょうか?手遅れになるとは思いませんか?

さらに考えてください。もしその人が自分ではなく、あなたの子供だったとしたらどうしますか?もしその人があなたの恋人だったらどうしますか?誰でもかまいません、自分の失いたくない人に置きかえて考えてみてください!

苦しみの理由ともうひとつの道

私達が現在直面している危機と苦しみの原因について、多くの質問が寄せられています。以下が私の回答です。

カバラは現在起こっている全てのことについての理由は1つしかないと明言します。それは人間が自然との均衡の法則を守れていないことです。言い換えると、クリエーターとの同等性(等価・同値)の法則を守れていないことです。まさに「人間(Human)」と称される、最高位のレベルにおける不均衡(「自分を愛するようにあなたの隣人を愛せよ」という概念に基づいた人間関係が築けていないこと)が、より低いレベル(無生物、植物、動物)のバランスを崩しているのです。その結果として、動植物界は死に絶えていて、自然の無生物レベルにおける力のバランスも乱しているのです。これら全ては私達のエゴイスティック(利己的)な考え、願望、そして行為の結果なのです。

一流の財政家が経済危機の原因を正確に指摘したことは、偶然ではまったくありません:経済危機の原因は、倫理的価値の危機、そしてそこで欲望が無責任な利殖の雪崩を生じさせたのです。しかし見て取れるように苦しみというものは、人々や財政家にでさえも私達の災難についての原因を教えてくれます。結果的に酷い苦しみ(私達が餓えて、絶滅間近にまでなること)は、人々と世界に対する私達のエゴイスティックな態度を、強制的に改めさせるようになります。

カバラは、そのような危機が訪れる前に、私達が自発的にそして楽に変革を実行に移せることができるように、もう一つの「道」を教えてくれます。そうしなければ(出エジプト記に書かれている)エジプトで起きた“十の災い”のように、危機は徐々に増え続けるだけでしょう。

どのようにして私達のエゴイズム(利己主義)が自然災害や地球温暖化に影響を及ぼしているのかということを理解するのは困難です。しかしこの点においても苦しみが起きていることの原因を理解させる手助けになります。全世界で発生しているの嵐(台風やハリケーンなど)は勢いを増しつづけるでしょう。グリーンランドの氷河の溶解はトルネード(大規模な竜巻)を引き起こすでしょう。そして、それらの現象が起きた時に初めて、その原因が私達のエゴイズムとお互いにたいする“根拠のない憎しみ”だとすぐに分かるようになります。このようにしながら自然は人間(human)に、「人間(Human)」に成ることと同等性の法則に従うことと均衡を保つことを教えてくれるのです。

完璧な世界のなかで暮らすことはどんな感じ?

今から一秒後に経済で何が起こるか誰にも分かりません。専門家は最も複雑なモデルをつくり、過去の経験を基に将来を予測しようと試みます。しかし、最も正確な統計でさえ、私達にのしかかる将来の不確実さの小さな慰めにしかなりません。「世界市場が不確実である限り、私達は将来には賭けないほうがよい」といった示唆で締めくくられる一流経済アナリストの記事や発言は増えるばかりです。

なにが本当の問題なのでしょうか。なぜ、私達が開発した経済システムに何が起きるのか分からないのでしょうか。専門家に言わせると「問題は、あまりにも多い要因の組合わせ」です。 しかし、もっと明確な説明もあります。それは、そのシステムが、敵対的な原則にしたがいながらでは、もう機能することができないということです。グローバル化が急速な現代において、私達はシステム全体に影響を及ぼすことなく、“くしゃみ”すらもできません。

米国連邦準備制度前会長のアラン・グリーンスパンは「起きていることの主な原因は、経済モデルの境界線のなかに収まりきれない人間性である」と発言しました。これが発言されたのは2007年9月のことです。彼はまた、規制を設けて危機をくい止める手立てには、今まで全く効果がなかったとも認めていました。

問題は、予測できない人間性が、私達を偏狭な個人的関心のために行動をとらせることではないのです。それは過去においての話であり、今日の状況は劇的に違います。それは私達全員が、システム全体を構成する一部分として不可欠になったということです。つまり、それがグローバル化を経て1つに統合された完全体になったということです。これが、古い経済対策が役に立たなくなったことの理由です。

人生などの生命現象といったものは、私達の性質(人間性)を新しい現実との均衡に至るよう、私達に要求します。過去の過ちを繰り返すのでなく、成功に導く、長い年月を経て有効性が証明されたモデルを模範として使おうではないですか。不可欠性と真の相互依存の素晴しい手本は自然界に多くあります。

例えば、人体を考えてみて下さい。それは完全にその細胞の利他的の働きに依存しています。各細胞は、その細胞の働きを持続するだけに必要な分量の栄養素だけを取り入れ、その生物全体の利益のために働きます。それは実に精密な均整状態(ホメオスタシス)です。すべての自然体系は、その部分の適正な相互作用に依存しています。1つの細胞がその生物に、利益ではなく危害を加えようなら、その他の細胞が統合し、全体を助けてその体系を均衡に至らせます。

そして私達も例外ではないのです。 20世紀の偉大なカバリスト、バール・ハスラム(Baal HaSulam)は、私達は注意して自然の法則を扱う必要があると以下のように著述しました。「自然の法則を犯す者は皆、自然がその人に課した目標から逸脱してしまい、ゆえに自然はその人を罰することになるだろう。」この簡潔な現代の危機のメカニズムについての説明は、半世紀以上も前に記述さたものです。

“自然の法廷”には上訴というものがありません。そして、私達は自然の法を守っているとは決して言えません。私達の人生のモットーは「誰を利用してでも金持ちになり、“大胆”になる」ということです。これは、人の内面の声の囁やきであり、私達はそれに喜んで従っています。

まさにこれが私達の問題の存在しているの場所です。もし1つの細胞が突然、“考えを変えて”自分のことだけを配慮しだしたらどうなるのか想像してみてください。医学にはこれのシンプルな呼び名があります。それは「ガン」です。 よって、現在における危機は病気の症状であり、治療が必要なのです。

もしも人類が1つの体系になれたとしたら、それはただちに自然に一致した法則によって統治・支配されることでしょう。昔なら罰を受けないでやってこれた事柄にたいしても、私達はもう“許される”ことがなくなります。昔のやり方で暮らし続けることは、高層ビルの屋上から飛び降りて、無事を祈るようなことです。ゲームのルールが変わったのです。今はもう、お互いを利用するのではなく、全員を配慮していかなくてはならなくなりました。思い切ってこのように行動しはじめない限り、危機は私達を含めた地球をもっとひどく苦しめ続けることでしょう。

この変化のプロセスを楽にしてくれる効果的な方法はあります。それは世論に頼る方法です。テレビやラジオなどの伝達経路、報道機関、マスメディア、そしてインターネットが人々に、私達全員が1つの体系の部分を成していて、個人の損失は全員の損失で、全員の利益は個人の利益でもあると説明するようになったとき、すべての変化のプロセスがより簡単で楽なものになります。

何百万ドルもの資金を経済に注ぎ込む今日のやり方は、危篤患者に鎮痛薬を大量に投与しているようなことです。 そうするのではなく、私達は問題に対するアプローチそのものを根本的に変えて、私達の世界観の中心に立っている“わたし”と”社会”を入れ替えなければなりません。だからといって、この社会が細胞のように分離された構成部分になるのではありません。それは1つの家族のようになるという意味です。

想像してみてください。あなたの周りの誰もが親しい身内だとしたらと。そしたら、あなたは心から人々が幸せになることを願い、皆に手を差し伸べるでしょう。そして、彼ら、彼女らもあなたのことを同じように感じ、手を差し伸べます。さらには、そのような生活の維持に必要な支援を金融機関から受けいれることもできるのです。そうすることで、私達は自然との調和が達成できるようになります。なぜなら、愛し合う家族のなかで機能しているルールというものは、現在私達が守れていない自然や生命の法則と全く同じものであるからです。それは唯一の、欠けるところのない、完璧な体系なのです。