値段の付けられない科学

バール・ハスラム「パニーム・メイロート・ウ・マシュビロート(歓迎と光照の啓示)の書の序論」p5:これがそうであるのは、もはや、自分の利点・価値を維持できなくなり、市場でこの「知恵」を取引することになるかもしれない、という恐れがないからである。群衆の中に、それを市場で買う者はいない。この知恵は、見返りとして名誉も本能的欲望も満たされないため、彼らの眼にはとても忌々(いまいま)しいものと映る。

それ故、(知恵の世界に)入りたいと望むすべての人は、来て入ることができる。そこには多くの放浪の旅路があり、知識はそれに相応しい人々の間で増すだろう。そしてそれによって、私達は速やかにメシアの到来という報いを受けるであろう。そして我々の時代において、速やかに魂の救済があるだろう。アーメン。

何世代にも渡って、カバラの科学は神秘主義と考えられてきました。タロットカード、祝福と呪い、黒魔術、精霊・亡霊、悪魔など、およそ人間の想像力の及ぶもの全てが、カバラと見なされてきました。何世紀もの間、人々は、これらの道具が、人に世界を支配する力を与え、勝利すること、富栄えること、優位を占めること等をもたらすと信じていました。それで、多くの人々が、おそらくそこに隠れているはずの、この超自然的な力を知り、理解し、習得することを欲しました。誰もが成功し他者に抜きん出ることを夢見ています。それは明らかです。

そのような訳で、カバラの知恵は、そのようなものとして扱われてきました。「ユダヤ人は力を与える秘密の知恵を所有している...」という言説や、フリーメイソン及びあらゆる種類のセクト(党派)の存在など、沢山の発明・創案がありました。しかしカバリストは真実を隠してきました。そのため、本当はカバラの本質とは、人々のユニティ(統一・和合)の科学であることを誰も知りませんでした。

今日、私達がカバラの科学をより理解するに従って、人類は次第にその神秘のオーラに別れを告げることになり、結果として、もはやそれを必要としなくなっています。「なぜ私にそれが必要なんだい?統合?私が期待しているのは、奇術や占いや、取引の成功や、全ての病気を治す薬や、奇跡を起こすことなんだ。でも、人々の統合だなんて、自分の胸にでもしまっておいてくれ。たとえ君がお金を出すと言ったって、私はそんなもの必要としていないよ。」

そうして、人々はこの知恵を拒絶します。ここに真実が現れています。なぜなら私達のエゴイズムは実際、この統一の科学を拒絶し、受け入れません。これは自然な態度です。人は他者を避け、統一のニュースを軽蔑し、それを何かむかむかさせるようなものとして憎み、蔑みます。しかしそれから彼は、他に選択肢がないことが分かってきます。彼は様々な要因によってその方向に導かれるようになります。その要因とは、私達の普及活動であり、様々な問題であり、現在の危機を脱することは統一を通してのみ可能である、という理解です。

「しかし、どのようにしてそれが可能なのか?どこで私達はその力を得ることができるのか?行動の手順は何か?」まさにその疑問が起きるとき、人々はカバラの科学を、本来の正しい真実のかたちである、統一の知恵として明らかにしてゆくでしょう。

この科学に結びついた革命は、今日起こらなければなりません。そして私達はその展開のペースを加速させなければなりません。そして現在のカバラに対する一般的な軽視は、むしろ(正統な)カバラを守るものであるため、真に統一を願い努力を捧げる者達だけが、各々の能力に従って、カバラに向かい関わってくるようになります。そのようにして、カバラの周りに外的なサークルが形作られます。

From the 4th part of the Daily Kabbalah Lesson 9/20/12, “Introduction to the Book, Panim  Meirot  uMsbirot”

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