人類の結束は自然界に類がありません

受取った質問:なぜ人間社会は動物的段階にいる間に体の細胞のような相互保証的な状態に至ることができないのですか?

私の答え:人間はとても複雑な生物なので細胞のように他と結束することはありません。以下がその理由です。

エゴイズムは無生物段階から、植物段階、動物段階、人間段階になるにしたがって質的に大きくなります。物体のエゴイズムが大きいほどその物体は個性的(個人主義的)なものになり、他と一体化することがより困難になります。よって人は発達するに従い他者から分離していることをもっと感じるようになります。

今日では、心理学者や社会学者だけでなく経済学者や政治家も世界がお互いに繋がっていることを理解するようになり、人類が統一しなくてはならないと考えるようになりました。しかしながら、彼らは物理的な手段で統一が達成できると信じています。世界銀行、世界政府、世界教育、世界規模の関係を築けば全てが解決すると考えているのです。

しかし、つい最近開催されたG20サミットのような会合がさらに数回行われた後には、彼らに統一する手段がないことが理解され始めるでしょう。彼らがこの事を理解するまで人々は残念ながら、食糧難、精神的混乱、完全な無力感、世界的な悲しみなどを含む大きな災難を経験しなくてはならないかもしれません。人々は不安を抱えて暮らすような状況に耐えることはできません。なぜなら絶え間ない不安は死よりもひどいためです。そのような状況下で私達の精神は正しく機能しません。しかし、統一を達成する唯一の方法が私達のエゴイスティック(利己的)な性質を超越することでしかないことを私達に理解させる為、これらすべてのことが起こるかもしれないのです。

無生物段階、植物段階、動物段階における全ての性質や構成部分は自然的そして本能的に互いに連結しているため、それらの段階にはこのことは適用されません。それらの段階は自由選択や意思決定することなく相互的に補い合って調和しながら相互作用しています。

しかし、人々における統一は一人一人が意識的にそうしたときにだけ達成できます。他の自然段階と違い、創造主は私達に単に統一させる本能を与えそれを達成させるようなことはしませんでした。私達の統一は私達が与えることと愛の特質を獲得し、全員参加で全員が結束したときにだけ可能です。この達成には、私達が自分自身と自分のエゴイズムを克服して「自分のように隣人を愛しなさい」という聖書の戒律を守れるようになるしかありません。

このような方法で私達の間に創造主の特質が啓示され、私達は創造主に似た存在になります。その後になってはじめて、なぜ創造主が私達に対してこのように振舞ったのか、その理由を理解するようになります。

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